がん患者に教えてもらった足腰の大切さを伝える理学療法士/関節痛治療家/整体師

入院して弱った足腰を鍛える方法はたった一つだけ〇〇でいい!理学療法士が答えます。

 
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永浦 林太郎
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病気やケガなどで入院して、入院中は病院の中を歩いたりするには問題がなかったのに退院して家に帰ってみると、

・普段歩いていた道が遠く感じたり、
・ちょっとしたことで疲れやすくなったり、
・階段の上り下りがしんどくなったり、して困ったことないですか?

実は同じように悩んでいる人ってたくさんいるんです。
そして、みなさんが共通して感じることは「体力の低下」と「足腰の衰え」です。

まず結論から申し上げますと、これを解決する最も効率の良い運動は「スクワット」です。
あれもこれも色々な運動をしなくてもいいです。「スクワット」だけやればいいです!

これは本当のことなんですが…、これだけだとかなり説明不足です(笑)
それにしんどい人が普通の人がやっているスクワットなんかしんどくてできないですよね。
ネットで「足腰 鍛える」などと調べるとスクワットの紹介がたくさん出てきます。しかしどれも健康な人が体を鍛えるスクワットのやり方ばかりだと思います。

それで今回は、以前大阪のがんセンターで主に“立つ・歩く”のリハビリを担当していた理学療法士の僕が、実際に患者さんにお伝えしてきたスクワットのやり方を初級・中級・上級と3つに分けて紹介していきたいと思います。

がんセンターでは手術や抗がん剤治療などで体力的にしんどい方が多く、TVなどで観るがんがん頑張るリハビリみたいな一般的なイメージとは違います。また高齢者の方も多く、体力的な不安がある人でもできるやり方です。その中でも初級・中級・上級とその人にあったやり方がありますので安心してください。ただ無理せず、できる範囲で自分のあったペースでボチボチと頑張ってみて下さい。

この記事を読んでわかること

①その人にあったスクワットのやり方
②膝・腰が痛くてスクワットができない人のための運動
③体力の低下と足腰が衰えた理由
④歩くだけじゃ足腰が鍛えられない理由

スクワットのやり方(初級・中級・上級)

では、うんちくは後にして早速スクワットのやり方を説明していきます。
自分にあったレベルでやってみて下さい。

【初級】

初級は、別名「起立-着席運動」と呼ばれる椅子に座って立ってやる方法です。

起立着席運動『間違いだらけのリハビリテーション「起立着席運動」のすすめ』三好正堂著,現代書林2017出版,P84より引用
椅子を2つ使ってますが、実際には机やテーブルに手をついてやる方がやりやすいです。
詳しいやり方については動画にて説明しています。
「1.2.3.4」または「1.2.3」とゆっくりやるのがポイントです。ゆっくりやる方が膝の関節に優しく、かつ負荷が強くなり少ない回数でしっかりと効きます。

回数についてはよく質問されるのですが、まずは1回をしっかりやってみて下さい。手で押すのでなく、足で地面を蹴るようにして立ちます。そして座る時はゆっくりと座ります。その時に後ろにひっくり返らないようにテーブルについた手でバランスをとって下さい。立つよりもゆっくり座る方がきついかもしれません。安全のために背もたれのある椅子を使うことをおススメします。

1回ができたのであれば、あとは自分のペースで2回、3回と回数を増やしていって下さい。1日に5回、または5回を午前午後と2回に分けて合計10回やる、できるなら10回連続でやってみるなど無理のない範囲で運動量を上げてみて下さい。何回やってもいいのですが、運動は継続が大事です。毎日コツコツと習慣化できる回数を自分で見つけて下さい。ちなみに僕は1日20回でやっています。

動画はこちらです⇩

【中級】

中級は、椅子などの背もたれに手をついてやる方法です。

中級スクワット

『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』小林弘幸著,幻冬舎2017年出版,P.49より引用

これも動画詳しく説明しています。

膝の曲げる角度は膝が痛くならない程度で調整して下さい。またスクワットはお尻から落ちていくフォールが正しいのですが、一人でやると難しい場合はあります。その場合は後ろに椅子をを置いて椅子に座っていくようにしてやるとキレイなフォームになりやすりです。その辺の説明も動画しています。

無理のない回数でゆっくりとやりましょう。ゆっくりの方がよく効きます。
回数については初級と同じです。

動画はこちらです⇩

【上級】

上級は、いわゆる普通のスクワットです。ただ最近は足を大きく広げたワイドスクワット(別名:四股スクワット)がおススメです。理由は姿勢の安定、歩行の改善に大きく関係する太ももの内側の筋肉(内転筋)が鍛えられるからです。

上級スクワット

『死ぬまで歩ける足腰は「らくスクワット」で作りなさい,菊池和子著,宝島社2018年出版,P72-73より引用

こちらも動画にて説明しています。

よく手の位置はどうしたらいいですか?と質問されるのですが、特にこだわりはありません。本などをみると手の位置がバラバラですよね。手を体の前に伸ばしてやると安定が取りやすいですし、頭の後ろに組むとバランスが取り難くなります。また太ももの上に置いたりすると更に安定してやりやすくなります。自分にあったポジションを見つけて色々と試してみて下さい。僕は毎回違います(笑)

スクワットするスピードや回数も初級、中級と変わりません。無理のない範囲でやってみて下さい。
動画では何度も説明していますが、運動は継続が大事です。ぜひ習慣化できる負荷量と回数でコツコツを頑張ってみて下さい。

本当に「筋肉はウソをつきません」、やった分だけ努力した分だけ結果が返ってきます。やり始めて2週間で変化を感じ始めます。そして1か月立つとその変化に大分気付き始めます。2カ月経つと体が軽くなってきます。疲れにくくなってきます。しかし2カ月で止めてしまうと、すぐに元に戻ってしまいます。人間の細胞は3か月サイクルで変化すると言われています。3か月続けると戻りが減ります。ただ元々の筋肉量や年齢によっては改善するのに半年ぐらいかかる場合もあります。先は長いですが、やるだけの価値はあります。ボチボチでいいので頑張ってみて下さい。

動画はこちらです⇩

膝・腰が痛くてスクワットができない人のための運動

実は入院中にリハビリではスクワットをやっていても、いざ家に帰って続けてない人って多いんです。悲しいけど、これが現実です。再入院や病院でたまたま再開した患者さんと話すと、続けれなかった理由として「膝が、腰が痛くてできなかった」という声が多かったです。

リハビリの時は僕がフォームをしっかりとチェックして、痛みがでない角度などを気にしながらやっていたので問題が起きませんでした。スクワットは足腰を鍛えるのに最も効率の良い運動だと思うんですがフォームが難しいです。普通の方はなかなかそこまで意識してやるのって正直難しいのかもしれません。
逆にフォームが悪いまま行っても、膝や腰を痛める可能性も高くなるし、それに肝心な効いて欲しい筋肉に正しくアプローチできていない可能性もあります。それではやった損です。もったいないです。どうせやるからにはちゃんと成果が出る方が良いに決まっています。

そこで僕は膝や腰が痛くて十分にスクワットができない人には、スクワットをするよりも先に「関トレ(関節トレーニング)」をすることを勧めています。
関トレで膝関節、腰・股関節が安定してくると意識しなくてもキレイなフォームでスクワットができるようになります。正直な話、関トレだけやっていれば特にスクワットをしなくてもある生活に困らない程度の足腰は鍛えられます。2つの関節が安定しくると普段の生活の中で歩いたり、階段を上ったりするだけでお尻が引き締まってくるのが分かります。股関節の可動域も広がり、歩幅も大きくなります。姿勢が変わり、動作が変わってくると、使える筋肉量が増えてくるので最初は疲れやすいと感じるかもしれませんが、しっかりと栄養を摂って睡眠を取っていけば体はその変化に慣れてきて以前よりも強くなります。
僕は最初、スクワットができない人のために関トレを指導し始めたのですが、やっていくうちに関トレだけでも寝たきりの人が2週間で起き上がって退院したり、足腰が強くなっていく光景を目の当りにしました。そのため段々と関トレだけでいいんじゃないか?と思うようにもなりました(笑)寝たきりなどで足腰が弱った人には関トレからスタートするのは良いと思いますが、自分が求める生活レベルによっては次の段階としてやはりスクワットを始める必要は出てくると思います。そんなときは「ゆるスクワット」から始めてみて下さい。

膝関節を鍛える関トレは2種類、腰・股関節も2種類と合計4種類あります。
まだ僕の方で1つづつ詳しく説明した動画を作ってなくて、それが完成するまでの間は雑誌で掲載された時の記事(イラスト版)をご紹介させて頂きます。

こちらです。

女性自身関トレ紹介

また、関トレ開発者の笹川大英先生がYouTubeで腰痛向けの関トレを紹介しています。これが腰・股関節の関トレとなります。ただ膝関節用はまだありません…すいません。頑張って作ります!
笹川先生の作った動画は①通常版と②腰痛が酷い人向けの2パターンあります。

動画はこちらです⇩

なんでこんなに足腰が弱くなるのか?

まず初めにちょっとびっくりするような話をしてしまいますが、人は2週間まったく動かずに寝たきりになってしまった場合にどれくらい筋肉が減るかご存じですか?実は約50%減るという研究結果があります。ただこの研究は高齢者の方が対象となっていたので、年齢が分かったり、元ある筋肉の量やそれまでの運動量によっても減り方は変わってくるかと思いますが、ちょっと寝たきりになるだけでこんなに筋力は落ちるんだという事実があります。

実際に勤めていたがんセンターでは、入院時と退院前にInBodyという筋肉量を測る検査をしていましたが、筋肉量の減少が結果として出ていました。またほとんどの方が上半身は筋肉量が減らない対して、下半身は結構減っています。なぜかと言うと、人間の体の筋肉量は、おへそから下で約70%を占めています。その内、太ももとお尻の筋肉で約60%を占めます。大きい筋肉ほど減り方が大きいです。
例えば車椅子に乗ってる方って立ったり歩いたりすることは大変ですが、手を使って何かするのは問題ない人が多いですよね。足腰から弱るのは筋肉量が圧倒的に多いからなんですね。

体力の低下は、入院中の活動量の減少による影響もありますが、それは退院して1カ月も生活していれば徐々に回復してきます。それでも体力の低下が改善しない場合は、足腰の筋力の低下が問題の可能性が高いです。それと心拍機能の低下です。

また体重も減ってないし、足もそんな言うほど細くなってない場合に考えられるのは筋出力の低下です。筋肉はすぐにサボります(笑)サボるというか、人間は過去からのDNAで極力省エネで過ごそうとします。普段筋肉を動かすのに人は100%の力は使っていません。大体60~70%ぐらい使っていると言われています。火事場のくそ力の時は80~90%ぐらい出すとも言われてますが、その後は体中が痛くなるそうです。全身筋肉痛といった感じでしょうか。
逆にあまり動かなくても生活していけると脳が判断すると筋肉を使う量(筋出力量)を抑えていきます。40~50%でも生活できるのであれば脳はエネルギーの無駄使いをしないようにします。つまり入院中にあまり体を動かさなくなると脳の指令によって筋出力の割合が減るのです。そしてこれを改善するためには、運動負荷を上げてやっぱり体を動かすのにこれぐらいの筋力はいるよ!と脳に再度教えてあげる必要があります。そのためにもトレーニングは必要となってきます。

①皆さんが思っている以上に足の筋肉は大きく、大きい分だけ細くなりやすい。
②また筋肉量の問題だけでなく筋出力の影響もある。
この2つが足腰の低下につながり、足の筋力の低下は直接体の疲れやすさに影響を与えているということになります。

歩くだけじゃ足腰が鍛えられない理由

よく患者さんに「歩くだけじゃダメなんですか?」って聞かれます。
残念ながら「ダメなんです…」。街中を見てみると杖をついて歩いている人もいます。歩いてるだけで足腰が強くなるならば、杖ついて歩き続けてたら杖をつかなくても歩けるようになるかと言えばなりません。足腰を鍛えると歩くのは別物なのです。ただ歩くことは健康にとても良いことです。体力もつきますし、循環機能にもいいです。なので理想は足腰を鍛える運動と歩くは両方やることです。

正直なところ退院前の患者さんから「両方やるのはしんどい」と言われることも多かったです。そんな時は僕は「どちらを優先してやるべきかと言えばスクワットです」とお答えしてきました。

患者さんからしてみれば「えぇ~しんどいわぁ~」となるのが心情なんですが、実際にInBodyで筋肉量を検査すると、「入院前は毎日散歩していました」や、「入院中はしっかりと病院の中を歩いていました」と言っていた人たちが現実を目の当たりにして、みなさん「頑張らなあかんな」となっていました。

ただ体力も落ちて足の筋力も落ちて大変だけど、手っ取り早く改善したいと思う人に、最もおススメの運動があります。それは階段上りです。階段を上っていくのは片足スクワットの連続です。そして実際にやってみると分かりますが、連続で5階や10階まで上るとかなりゼェゼェと疲れます。心臓がドキドキいって心拍数を測るとビックリしますね。それだけ心拍機能のトレーニングになるのです。しっかり1段1段踏みしめて上ると翌日はお尻が筋肉痛になります(笑)太ももの後ろもしっかりとストレッチしてあげないと固くなっちゃいます。以前見た記事では階段昇降はウォーキング、ランニング、ジムにあるトレッドマシンなどの有酸素運動のどれよりも効率よく足腰と心拍機能を鍛えることができる運動であると紹介されていました。僕はたまにやっています!やっぱりキツイですね(笑)

今書いたこと動画でも説明しています⇩

まとめ

足腰の筋肉は全体の70%も占めるから、その分筋力も落ちやすい。足腰が弱る原因には筋力の低下以外に筋出力の低下もある。それらを改善するためには足腰を鍛える運動が必要。その中でも一番効率がいいのがスクワットまた膝や腰が痛くてスクワットができない場合は関節を鍛える「関トレ(関節トレーニング)」がおススメです!
運動は継続が一番大事です。無理のない範囲で続けられる運動負荷と回数で、頑張り過ぎずボチボチと習慣化してやっていきましょう。ちゃんと頑張った分だけ体は結果を出してくれます。本当に筋肉は裏切りません。応援しています!

 

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